見取り図
所 在 地 三重県志摩郡志摩町片田 菊ズシ
御神殿

コンコンさん
祭   神 正一位稲荷大明神 倉稲魂神(うかのみたまのかみ)
境   内 400坪 参道66m
社   殿 木造 瓦葺 7.5坪
篭舎(こもりのや) 木造 瓦葺 32坪
社 務 所 木造 瓦葺 4坪
写  真 赤瓦・竜宮浦島瓦  本殿の天井絵

境内神

 当境内には穴神さんと子安さん、それに大漁神さんの春日さん等がそれぞれ祠に祭られている。コン、コンさんと呼ばれている穴神さんの神狐は海側、最奥の境内にあって、目を閉じると、遥か昔、お稲荷さんに御利益を願ってお参りした里の人達の姿を思い出させてくれる。





灑浄石

                                   
    御手洗


塩水を漂えた灑浄石があって木の蓋をとって塩水を小指ではねて「ツイヨ、ツイヨ」といって今日の大漁を願う慣わしであるこれは他所では一寸見られない参拝の仕方で、佛教の灌頂儀式が此所お稲荷さんに伝わったのであろう。
(注)灌頂 インドで国王即位の時、頭頂に四大海の水をそそいだ儀式。「仏」頭に水をそそぐこと。
境内の南側に浄心と彫られた御影石の御手洗がある。
子安さん
子安さんは、子安観音のことで安産の守り神、神仏混淆の名残か
春日さん 穴神さん
  

  穴神さんの神狐(しんこ)
 この一対の白狐は、安政五年
 (1858年)の奉納

灯篭

共に境内の風情を引き立てている
        
         百度石

 安政二年(1855年)、浦大野郷の舟乗衆の奉納で、いろんな哀話や悲話が極めて佇んでいる。

日和山(ひよりやま)大漁神さんと方位石

 今、神社に収納されている古い方位石は、、慶応元年(1865年)に設けられたもので、百三十余年を経て、文字も風化したので、平成十一年に新調、奉納され、元の位置に設置されている。
 神社の拝殿の南に小高い丘がある。丘の上に石積みの祠があって、「竜宮さん」と呼び大漁を祈願する。海女の作業は危険と背中合わせであることから、竜宮さん信仰は先天的なものであって稲荷さんの屋根の竜宮城も、神の加護を祈ったものであろう。また人々には、日和山や方位石はなくてはならない物の一つであった。
 


方位石

  地元の俳人・浜口愚公
   
(本名:浜口松兵衛)の一句
        まぜ                 ぐこう
浜宮や南風吹く石の方位盤愚公
風砂に晒され、黙々と使命を果たしてきた方位石の表面。今は神社に収納されている 平成11年拝殿竣工記念として奉納され、日和山に設けられている文字鮮やかな方位石
 
 日和山からの風景


村民のために尽力された業績を永久に称えるため、
境内南の丘に建立されている
平賀倉之助翁の顕彰碑
志摩町片田本所平賀亀祐画伯の生誕地に顕彰碑が
建てられている
(境内の外、大鳥居より北西約百五十メートル)

社務所と篭舎(こもりのや)

篭舎(こもりのや) 木造 瓦葺 32坪
社 務 所 木造 瓦葺 4坪

 社務所では、神札、お砂などを授与するが、行事は奥の篭舎で行われている。

昭和20年代の日和山と大野浜 昔の風待ち港であった大野浜の夕景 昭和30年代の大野浜、遠影は稲荷の杜、並列は、はさば(網に掛かったイセエビなどを捌く設備)、丸太は滑木(舟の上げ下ろしに使う枕木)。当時の浜は広かった。